遺伝性血管性浮腫(HAE)について
遺伝性血管性浮腫は、英語でHereditary
Angioedema、略してHAE(エイチ・エー・イー)と呼ばれています。
HAEの発作は、ブラジキニンという物質が体内で増え、血管の壁にあるブラジキニンB2(ビーツー)受容体にくっつくことで起きることがわかっています。体内でブラジキニンの量を調節する物質は複数ありますが、ブラジキニンを減らす役割を果たす物質としてC1(シーワン)インヒビターがあげられます。
C1インヒビターの量が少なく、うまく働かないと、ブラジキニンが体の中に増えてしまいます。ブラジキニンが増えると、ブラジキニン受容体にブラジキニンがくっつくことで血管の細胞に隙間が出来てしまい、細胞と細胞の隙間から水分があふれ出てしまいます。その結果、腫れを起こしたり、強い痛みを引き起こしたりします。具体的には、「抜歯」「手術」「ストレス」「疲れがたまる」などの刺激によりブラジキニンが増えて、激しい腫れやむくみ、おなかの痛みが起こると考えられています。
HAEのほとんどの患者さんでは、生まれつきC1インヒビターの量が少なかったり、働きが弱かったりすることが知られています。