注射部位反応
■ フィラジル®で報告されている注射部位反応
日本人の遺伝性血管性浮腫患者8名に対してフィラジル®を皮下注射したところ、7名に注射部位反応が認められました。
その主な症状は、赤くなる(7名)、腫れる(7名)、熱を持つ(4名)でした。
うち6例は軽度または中等度であり、注射後8時間以内に消失しました。1名で重度の紅斑(赤くなる)が認められましたが、注射2時間後には症状が消失しました。
このように注射部位反応は多くの患者さんに見られます。
どのような症状かを理解するとともに、以下の原因と対策を参考としてください。
■ 注射部位反応とは
皮下注射の後、注射した部位に以下のような反応が出ることを、注射部位反応といいます。
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- 赤くなる
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- 腫れる
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- 熱くなる(熱を持つ、火照る)
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- かゆくなる
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- 痛くなる など
■ 注射部位反応のおもな原因とその対策
注射の場所が不適切
あざや腫れ、傷や痛みのある場所のまわり5cm程度は注射を避けます。
同じ場所に繰り返し注射
前回、おなかの右側に自己注射したら、次はおなかの左側にするようにします。
注射液の温度(冷たい)
夏場など、注射器を冷蔵庫保存している場合、注射前にシリンジを手で握るなどして薬液を常温に戻します。
ただし、発作時、急を要する場合には直ちに注射することを優先します。
注射のスピード
注射する際には、プランジャーを強く押すようなことをせず、2~3分かけてゆっくり注入します(少なくとも30秒以上かけて投与)。
■ その他、注射をする際に気をつけること
自己注射をする前に…
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- 使用期限を過ぎている場合は、絶対に使用しないでください。
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- 自己注射をする前に、石鹸と水で両手をよく洗います。
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- 自己注射をする場所を、アルコール綿できれいにします。
自己注射をする際に…
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- 使用済みの注射針は絶対に使用しないでください。
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- パッケージが破損していたり、一度開封して放置した注射針は使用しないでください。
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- 注射針を曲げたり傷つけたりしないでください。
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- 注射する際は、注射器を極端に寝かせて打たないようにします(からだに対して垂直から45度が適当)。
自己注射をした後に…
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- 注射した場所を揉まないでください。
重大な副作用
■ 重篤な過敏症(頻度不明)
アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがあるので、からだがだるい、ふらつき、意識の低下、考えがまとまらない、ほてり、眼と口唇のまわりのはれ、しゃがれ声、息苦しい、息切れ、動悸、じんましん、判断力の低下などの症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、主治医にご確認ください。